凶暴性
阿部 和樹 日本画学科
平面/高知麻紙、岩絵具、水干絵具、墨/1834×4615
4年間、魚ばかりを描いてきました。魚を通して日本画を、また日本画を通して魚を理解していったように思います。
水の世界で生きている彼らの不気味さや美しさを、僕なりに精一杯描いていきたいです。
担当教員:尾長 良範
魚を含めた自然のいきものは古くから日本の絵画の題材として扱われてきた。
そこには西欧の世界観と異なる自然との関わりを大切にしてきた日本の人々の暮らしがあったように思う。
しかし、現代の我々が同じ題材を描いたとき、かなり変質した意味を感じざるを得ない。
阿部はその穏やかな描き方のなかに古典絵画への共感と違和感、そして現代の閉塞観を水槽のなかの熱帯魚に託して表現している。