風景Ⅰ
風景Ⅱ
植村 遥 油絵学科[油絵専攻]
【風景Ⅰ】 平面/カンヴァス、油絵具/2273×1818
【風景Ⅱ】 平面/カンヴァス、油絵具/1167×1167
木や石や貝殻など、地味で通り過ぎてしまいそうなものでもよく見ると面白くて複雑な形をしています。 その美しさをそのまま描くことは私はできませんが、それらを尊敬して描いていきたいです。
担当教員:小林 孝亘
隅々まで丁寧に塗りこまれた画面は豊かで、じっと観ていると、やがて目に見える形や色の間から、新たな色や形が見え始める。それに伴って、観るものの内にも様々な思いが浮かんでは消えていく。不安を孕んではいるものの、満ち足りたその静寂は、絵を観ることの快楽を与えてくれる。
「風景Ⅱ」の抽象性の高い星の形に比べ、具象性が強まった「風景Ⅰ」の葉や貝の形は、観るものの想像力を限定してしまう恐れがある。「風景Ⅰ」は必ずしも成功しているとはいえないが、作者の正直な感覚に沿った、より明確な形をきっかけにして、目には見えない何かを見せようと試みている。