武蔵野美術大学 造形学部卒業制作 大学院修了制作 優秀作品展

展覧会について

小平むすびめ食堂

深津 有紀 視覚伝達デザイン学科

インスタレーション/ごはん、本、新聞

小平市は農地と住宅が混在しており、野菜をつくる人、売る人が、消費者の身近に感じられる町です。私は小平の直売所や農家の方への取材をする中で、農業・食を通して人と人が繋がっていることを実感するようになりました。自分の食べているものを、誰が何処でどんな想いでつくっているのか知るだけで、毎日のごはんはもっとおいしく、たのしくなる。そんなごはんのあたたかさや、人と?がれる喜びを伝え、ごはんを通して人と人をむすぶ場でありたい、という願いをこめて、この食堂をつくりました。

担当教員:新島 実
この食堂のデザインはインテリアデザインとかショップのデザインとかではない。食堂がコミュニケーションデザインの中心メディアとして意識され、位置づけられている。食堂をつくることと食堂をデザインすることの違いを、小平市の農家の人々との付き合いを通して私達に提示している。また「小平むすびめ食堂」のイメージ構築は素朴で柔らかく、ロゴからレシピ本までデザインが有るか無いかの微妙な感覚で表現されている。この表現は結構難しいがよく出来ている。イラストレーションを描くように農家の人々との出会いを記述し、写真を撮るように野菜を作り、文字を組むように旬の食材で料理を作る。そしてポスターをデザインするように食堂でご飯を食べてもらう。自らもメディアの一員として参加し、つくる人と食べる人を繋げている。

Photo: Akitaba Hamasaki, Tomokazu Nakamura, Yasuo Saji