アッリの人々
安福 千晴 工芸工業デザイン学科[木工]
立体/アルダー、ニヤトー、ウォールナット他、無垢材、ステンレスワイヤー、LED電球/1240×1140×700
イタロ・カルヴィーノ著「見えない都市」より着想を得て、 自らがひとつの都市を設定し、かたちにした。 木工技法や既存のもののかたちをモチーフに 木の持つ表情や色彩までが想像の材料になって、 一つの形として構成したこの都市を通して木の魅力、 イメージを描く事やそれを表現する事の面白さを 表現したかった。 このアッリの都市に住む人々がどこから来てどこへ至るのか、 少しだけ考えてみて欲しい。
担当教員:十時 啓悦
この作品は、ある物語の世界を木で表現したもので、工芸製作というよりむしろ彫刻作品ともいえる。
木材は小さなものは加工が難しく、細部に粗さが見られるが木の色や質感をうまく取り入れ素材の堅さを感じさせずビジュアル的にまとめている。木の玩具は過去に優れたものがあるが、このようにひとつの場面を作り上げる作品は今後に期待出来る。