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ふしぎなとき
駒形 有紀 工芸工業デザイン学科[ガラス]
立体/ガラス/キルンキャスティング、着色(油彩)/3050×1350(各250×400×450)
私は少年少女を人間(成人)とはまた別の「ふしぎないきもの」だと感じている。
しかし、神様や精霊といったようなそこまでの特別さは感じていない。
なぜなら、少年少女はどの世界にもどの時代にも存在し、誰でもかつては少年少女といういきものだったからだ。
誰にでも「ふしぎないきもの」の時は存在する。
担当教員:齋藤 昭嘉
作者は、タイトルにある「ふしぎなとき」とは、精神的、肉体的に性別が完璧に分かれ切っていない中性的な少年少女時代を「人間(成人)ではない不思議ないきもの」として捉えている。作品は学校を中心としたコミュニティーと仲間の場面ごとの出来事が生き生きと表現されており、教室内では授業、給食、校庭では鉄棒、球技、帰り道ではランドセル、荷物運び、ジャンケン、虫捕り、魚捕り等、一つ一つの場面を見続けていると、観る側の年代により自分自身の不思議ないきもの時代を思い起こさせてくれる作品である。技術的にはロストワックス鋳造法で非常に丁寧な作りと半透明のガラスに淡い色彩がよりテーマに合っていると考える。