武蔵野美術大学 造形学部卒業制作 大学院修了制作 優秀作品展

展覧会について

時行列車 

若林 邦甫 空間演出デザイン学科

舞台装置/木材、布、プロジェクター、他/2500×4500×8000 (卒業制作展時) 

夕闇を駆ける列車 時の狭間に潜り込み 辿り着いたのはうつろの国 黄色く灯る明かり それが私の全てだった 巡る季節 縮小される世界 そして映画は粒になって砕け散った

担当教員:堀尾 幸男
少ないけれど自分の言葉。小さいけれど自分の技術で紡いでいる作品はとても好感がもてるものである。 この作品は、自分から湧き出たままの思いで作られている。 若林邦甫は素直な表現で、彼の追体験が溢れ出てくる作品を造った。 車窓から見える風景が移り、やがて思い出の家に至る。甦る家族。甦る思い出。幼な若林。月日が流れて、去って行った時間を胸に抱く。 ———人は振り返って自分をみつめ、過去と決別し、次の扉をあけてゆくのである。「時間と空間」にこのストーリーが介入している。 ———これがセノグラフである。

Photo: Akitaba Hamasaki, Tomokazu Nakamura, Yasuo Saji