武蔵野美術大学 造形学部卒業制作 大学院修了制作 優秀作品展

展覧会について

海の杜

鈴木 祐史 建築学科

プレゼンテーション/模型、図面/木材、ピアノ線、紙、他

東日本大震災により、塩害を受けた稲作地域復興への提案である。
雨にも負けず、風にも負けず、何度でも立ち上がる稲穂の波の様子。 震災から強く立ち上がる象徴として、その稲穂の波を建築の形態に落とし込む。 田んぼ道に沿って形成された場はそれぞれ傾斜、高さ、広さに違いを持つ。 海の杜に来る人々は、その時のアクティビティに合わせて場を選択する。 用意された場にいくつものシーンが生まれ、地域性を持ったコミュニティーの再生につながっていく。

担当教授:高橋晶子
生まれ育った地域が東日本大震災で津波被害に遭い、その田圃に構想されたプロジェクト。かぶった塩分を抜くため土を堆積する場として、また周囲の人々が集まる場として計画された。海に向かって半分開き半分背を向けるという、思いがそのまま形になったようなダイナミックなうねる造形である。当初建築物(内部空間を持つボリューム)を想定してスタディが始まったが、最終形は環境造形的なものとなって田圃にさまざまなイメージを喚起する場を提示した。

Photo: Akitaba Hamasaki, Tomokazu Nakamura, Yasuo Saji