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森 洋樹 建築学科
インスタレーション/ガリバリウム鋼板/3500×8000×20000(卒制展示時)
普段、ある場所へと移動する際、その間の風景を思い出そうとしても思い出せないことがあると思う。 それは受け取った情報の必要・不必要を無意識的に選択しているからである。見えているが見ていない、そんな人の無意識により空白となっている場所、それを視点を変え再認識することで、普段より少し周りを見るきっかけを作り今いる場所を実感出来るのではないだろうか。
担当教員:土屋 公雄
二号館と四号館の間に制作された森洋樹の作品「ありのまま」は、ガルバリウム鋼板を素材とし、通路広場の石畳表面をエンボスという技法で写し取った巨大インスタレーションである。彼は今回の作品で、我々が普段気づかずに通り過ぎている空間に視点をあて意識させることで、「場」の再確認を図っているのである。さらに幅8メーター奥行き20メーターの一部が吊り上げられ、そのガルバ鋼板裏面には、素材である石表面のテクスチャーまでが明快に表現されているのである。