武蔵野美術大学 造形学部卒業制作 大学院修了制作 優秀作品展

展覧会について

Ex-foramation 空気 膨らみを着る
大きい胸 お腹 お腹と胸 小さい胸

大貫 茜 基礎デザイン学科

立体

空気は普段、その存在をあまり意識しない。けれど、ビーチボールに空気が入っていき、パンパンに膨らんでハリとして見えた時、私は空気の存在を感じた。そのピンと張った力強い空気のハリに、身体の持つ膨らみやハリが想起され、この作品を制作した。 この膨らむ衣服は、乳首やおへその位置にある注入口から空気を入れていく。身体に沿って膨らんでいき、パンパンに膨らむと、身体の上にもう一つの身体が現れる。 この作品を通して空気のハリと身体のハリが拮抗することで見えてくる、空気の存在を感じてほしい。

担当教員:原 研哉
この衣服は「膨らみを着る」という着想で制作されました。ビニール製の透明な膜の中に空気が詰め込まれます。衣服のかたちは人間の裸の身体が表現されていて、乳首やへその位置に、空気を出し入れする通気口が配されている点は面白い工夫です。空気を入れると、身体の膨らみのようなボリューム感のある衣服が出来ます。これを着用すると、衣服を着ているにもかかわらず、そこに裸の身体が表現されるというパラドキシカルな状況が生まれます。透明感のある空気の衣服ならではの仕組みが面白いファッション性を生み出しています。水着の上に来ても、普通の衣服の上に着ても、楽しめそうです。

Photo: Akitaba Hamasaki, Tomokazu Nakamura, Yasuo Saji