背中あわせ
宮島 三枝 映像学科
実写映画/60min
2人きりで東京に取り残された
20歳の姉と17歳の弟。
干渉も監視もされない環境に
置いてきぼりにされた時
姉は男とのお金の関係に溺れていく。
それは社会的にも家族にも
認められない20歳の反抗。
そんな姉の行動を弟だけが知っていた。
2人が共有する時間はいつも壁越し。
見えないことの方が多いから
お互いを見て見ぬふりして軽蔑しあっている。
そんな大人と子供の間で彷徨う2人の
正当化されない日々を描いた
小さな家族の映画。
担当教員:小口 詩子
祖父の入院で帰郷中の母の不在、東京に残る姉弟の背中合わせの生活。人情が希薄でお金にうるさい母親の価値観に違和感を抱きつつも自らお金への執着に支配され複数の男たちと援助交際を結ぶ姉。高校生のタケシはそれを軽蔑するもおこぼれの小遣いでパシリに甘んじ、仲間におごって優越的スタンスを保つ。欠落を満たす依存にバランスを崩していく姉。都会の片隅に消え往く下町の風景、忽然とこの世を去る老人、ピュアな魂への追悼の儀式が、姉弟に不思議な連帯を生み出していく。