武蔵野美術大学 造形学部卒業制作 大学院修了制作 優秀作品展

展覧会について

再編される単位
――A・エイコックにおける多数性と縮減の過程について――

勝俣 涼 芸術文化学科

論文

本論考は、アメリカの女性彫刻家アリス・エイコック(1946〜)の諸作品にかんする分析である。多方面からの領域横断的な引用行為によって展開される彼女の作品群は、寄せ集められた複数のイメージによって、無秩序な様態を示す。だが本論が試みるのはむしろ、その多数性の宇宙から、固有の秩序的配列を明るみに出すことであり、混沌とした表象空間から、特定の表象および形象を軸とする連関を浮彫りにすることである。

担当教員:高島 直之
アメリカの美術家アリス・エイコック(1946~)の、1970年代に開始した建築的構造を持つ彫刻的立体や、その後の機械的イメージを外観とするインスタレーションの造形的基盤を探る研究論文。M・デュシャンやその後のミニマル・アートを源流としながら、構造人類学や現象学からの影響のみならず、中世の魔術から近代の量子力学や精神病理学を参照しつつ、作品表現の構成要素を組み替え再編していくエイコックの造形思考を克明に辿る。

[an error occurred while processing this directive]