武蔵野美術大学 造形学部卒業制作 大学院修了制作 優秀作品展

展覧会について

歴史的建造物の象徴的機能について
ー神戸旧居留地とドレスデンを事例としてー

玉垣 唯 芸術文化学科

論文

ドイツの都市は、日本と同様に戦災に遭遇し戦後急速な復興を成し遂げてきた。しかし両者の都市のあり方には大きな違いがあり、それが今日の都市景観の中に象徴的に表れている。これは、日本の都市が一般的にその固有性を喪失してきたのに対して、ドイツの都市は地域特性を保持し都市景観の固有性が保護育成されてきたことにある。 本論文ではこの二つの国における都市の復興を事例に、歴史的建造物が都市形成においてどのように反映されているのかを比較し、そして歴史的建造物が住民にとってどのような役割を果たしているのかその象徴的機能について考察した。

担当教員:高島 直之
西欧近代における町並み保存・修復の認識と実践の歴史を踏まえ、その住民に根づいた歴史を必ずしも共有していない日本の史的経緯を浮き彫りにする。そこで戦災による潰滅の事態に対する、ドイツと日本の戦後復興過程を比較して都市景観に表われる象徴的機能の違いを問い、さらに阪神淡路大震災での神戸旧居留地と第二次大戦でのドレスデンを事例として、建造物の保全の意識が住民の未来にどのような役割を果たすかを検証する論文。

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