武蔵野美術大学 造形学部卒業制作 大学院修了制作 優秀作品展

展覧会について

玉響 木戸泉酒造とともに

荘司 たまみ デザイン情報学科

本/紙、写真、上製本、はく押、エンボス/3/各255×170×17

私は木戸泉酒造という日本酒の造り酒屋に生まれました。実家を離れた今、改めて自分のルーツである「木戸泉酒造」について、日本の伝統文化である「日本酒」について深く知りたいと思うようになり、卒業研究のテーマにこれらを選びました。玉響(たまゆら)とは、宝石が揺れるほんのわずかな時間のことをいいます。日本酒を味わうことは玉響の時間、わずか一瞬かもしれません。その一瞬きらめく味わいを造るために、磨き重ねた伝統と技術が凝縮されています。 一人でも多くの方々に日本酒の素晴らしさ、木戸泉の魅力を伝えていきたいと考えてこの1冊の本に残しました。

担当教員:森山 明子
自分以外、他のだれにも取り組めないテーマに行き当たる。これがオリジナリティーの高い作品をつくる一番の幸運である。 蔵元に育った荘司さんは3年次でその幸運を引き寄せた。だからこそ、時間をかけた取材と緻密な紙面づくりができる。 自分の気持ちに発して蔵元と日本酒を背負う重みに臆することなく、テキスト、写真、編集、デザインを一から、そして全部やった。 ギフト本として出色の出来映え。苦労の跡をとどめず、ページを繰るごとに流れる空気感が好ましい。

Photo: Akitaba Hamasaki, Tomokazu Nakamura, Yasuo Saji