SQUARE
多田野 正人 デザイン情報学科
写真、写真集/写真、Kパネル、紙、インクジェットプリント
これは残像を使った写真表現の実験です。写真における残像の効果はビジュアルを複雑化していくものであり、撮影条件をよりシンプルにしていくルールをいくつか定めています。このルールによって残像が創りだす表現の効果が明確になっています。それがわかるのが、この写真群です。残像は透明感溢れた画面を作り、現実の視覚では捉えることのできない繊細な色の混ざり合いを生み出します。色彩的にも造形的にも制限されたルールのなかで、残像が導いた世界を見てください。
担当教員:佐藤 淳一
写真というと、普通は見えるものをそのまま写し取ることを考えます。
しかしこの研究では、正方形に構成された色面を意図的にぶらして撮影することにより、静止状態では見えない色と形を引き出しています。
一見、恣意的なグラフィック作品と思われるかもしれませんが、膨大な数の試行によって、おおよその結果が予測できる方法が確立されており、
そのプロセスが評価されました。作者は出身地の冬、地吹雪の白い風景をイメージしながら、ひたすらカメラを揺らし続けたようです。