武蔵野美術大学 造形学部卒業制作 大学院修了制作 優秀作品展

展覧会について

花万華I
花万華II

髙木 美里 日本画コース

平面/絵絹、岩絵具、水干、墨/絹本着色/額装/各1990×1550

花をじっと眺めていると妖艶な美しさを感じる。 そんな花の世界をもっと覗いてみたいと思ってきた。 花を手にとり、花びらをめくってみたり、雌蕊を裂いたりしてみる。 この中にはどんな世界が広がっているのか、またその中には・・・。 新たな発見をしてはスケッチをし、また次の発見を花に求める。 綺麗だと思っていた花が急に違うものに見えてくることも・・・。 この飽きない発見と驚きを表現し続けたい。

担当教員:山本 直彰
仏画のようでもあり、花曼荼羅のようにも見える。支持体となった絹糸の持つ絵具の浸透や、パッチワークのように繋ぎ合わせた形体がそれを連想させるのか。そうかと思えば博物誌のようにも見えてくる。しかし、ひとつひとつの花を眺めると妖艶な気が溢れてきて、そこには図譜を越えた花芯への執拗で情熱的な観察が見てとれる。万物の生命の中心へたどり着こうとする作者の華へのたどたどしい愛着が宿っているのである。形式と精神が触れ合うような作品となった。

Photo: Akitaba Hamasaki, Tomokazu Nakamura, Yasuo Saji