Fall into decay
清水 綾子 工芸工業デザインコース[金工]
立体/ブロンズ、石膏、ベニヤ、ペンキ/鋳造、溶接/200×2500×1200
ドローイング/ボールペン、紙/1100×2400×10
私は鋳造技法を用い制作を重ねるうち、型の不良からおこる「ばり」の表情に興味を引かれました。本来なら「欠陥」「不良」「産業廃棄物」として忌み嫌われる「ばり」ですが、見方を変えることで実に豊かで興味深い表情や形を有します。 以前から研究していた鋳造データを元に、これも以前から立体をつくる上で行っていたドローイングのイメージに近づけられるよう、意図的に「ばり」そのものを発生させ出来たものが今回の作品です。
担当教員:鈴木 洋
作者はモノが朽ち果てて行く過程や現象に深く興味を持ち,それを独自の美の表現に昇華させることを学部の頃より目標としてきた。金属鋳造行程において偶発するバリ(本来は不要とされる)のテクスチャーに魅せられ,それをある程度コントロールできるよう多くの実験を重ねる一方、その様々な表情をドローイング上で新たなかたちに展開し,同時にブロンズ作品として再構成した。鋳造作品の新しい方向性を示唆する秀作である。