平面
和紙、墨、銀、水性木版
1000×1000
車に乗って高速道路に入り、多くの車の往来に加わり大都市の中を走っている時にふと思うことがある、何だか私たちは大都市の道という脈の中で動く細胞の一片なのではないだろうかと。そして、それら一片一片が集まり、流れだし、大きな脈動が発生し巨大なエネルギーを生み続け、大都市を呼吸させている様にも感じられる。その大都市が発するエネルギーを、版木を彫り、墨を乗せて、バレンで和紙に刷り取っていきたい。
担当教員:永井 研治
和紙に墨で摺られた木版画である。
夜の都会の高速道路を走る高揚感や緊張感をもとに制作している。
構図の大胆さとスケールの大きさは木版表現への積極的な制作姿勢を示し、作者の生み出す線や形は、墨色の繊細な調子と何度も墨を摺り重ねた深い黒と一体となり、エネルギーを内包した力強いイメージを作り上げている。
彫刻刀に託した作者の思いが、素直に画面に定着されている。