半立体
楮、スタイロフォーム、ベニヤ、紙漉き
910×910×50
私たち人間のいる空間やその形はどのように生み出されたのか考え、新しい空間を模索する。
人間と違う生物の存在や自然の中で生まれてくる形は人間にはない空間の在り方を示している。
自然の中に溶け込み、その表裏一体の皮膚感覚が、内と外の繋がりを保ちながら個となり、環境による影響を受け入れ、特有の快適な空間を生み出すと考える。
人間の身体感覚、空間認識が環境に適合しつつ拡張していくよう、その媒体となる形や空間の要素を検証する。
担当教員:牧野 良三
我々と外界を隔てる隔壁という機能について、造形として、建築として、その可能性を探ることが卒業制作のテーマであった。外界との情報交換を可能にし、内に抱かれるという細胞膜的機能に焦点をあて、形体形成の過程に独自の仮説を設けて制作した成果がこの作品であった。触覚的なイメージを起点に、造形的な表現のみに終らせず、住空間から都市形成というスケール的な広がりと、空間機能をも視野に入れた作品制作は、造形と機能の関係を示した一つの提案として評価した。