平面
高知麻紙、岩絵具、水干絵具、パステル
2000×3600
花を撒いてパレードが進んでいきます。
行列の中には、我を忘れて踊る人、身重で動けない人、俯く人、倒れている人。
それぞれの状況に関係なく大きな流れに組み込まれていってしまう人間の生き方の悲しさを、祭りの情景に重ねて表現しました。
担当教員:西田 俊英
限りある生を生きる人間の死生観をテーマに描いた一連の作品は、徐々に埋め尽くされ浮遊する散華に導かれ、生と死、陰と陽、虚と実、人間の彷徨する旅の暗示のようでもある。
低層部の段階で和紙に暗闇色を染み込ませ、薄色の層を重ねてベールで被われたような美しい色調が、この人間の逃れることのできない円環の宿命に輪郭を滲ませ、刹那の光沢を放っている。