武蔵野美術大学 造形学部卒業制作 大学院修了制作 優秀作品展

鷽の実 ーあしき嘘をよき誠へとかえるうそー

西田 早織 デザイン情報学科

プレゼンテーション

天満宮では一年に一度「鷲替え」と呼ばれる神事が行われます。鳥の鴛をかたどった木や土、紙で作られた鴛を交換することによって、悪しき「嘘」を良き「誠」へとかえることができると信じられています。現在でも手づくりで作られている鴛は、一体一体たくさんの人の想いと技術がつまっています。そこには日本人の「替える」美学が残っていました。そんな鴛を郷土玩具として、民俗学として、そして神事として、様々な視点から触れて頂ければ幸いです。

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担当教員:森山 明子
神事である「鷽替え」が残る天満宮のすべてを調査の対象とし、その何カ所かを実際に訪れて、一冊の書物に編んだ労作である。大全と呼ぶことのできるテーマ設定、踏査と取材を敢行した行動力、収集した鷽をすべて複数の角度から撮影したことによる資料性の高さを評価する。縦長の判型が鷽にふさわしく、執筆もデザインも丁寧だ。西田早織によって、木や紙や土で一体ずつ形づくられる鷽が一堂に会し、チャーミングな姿で現代に甦ったのである。