武蔵野美術大学 造形学部卒業制作 大学院修了制作 優秀作品展

EST

下野 薫子 油絵学科[油絵専攻]

平面、インスタレーション
カンヴァス、油絵具、チューブ、透明ビニールシート
可変

to N.R.

悲しくて、かわいくて、嘘つきで、正しい。形の変化や消滅があっても消えないものと、表層に瞬間ごとに現れ、消えるもの。たくさんの喜びと悲しみがあり、すべてが光に照らされている。いまの自分のモラルにおいてのよいものを作ろうとした。

画像をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。

担当教員:長沢 秀之
絵を一点で見せるのではなく、複数によって見せる試みが今回はうまくいっている。と言っても、一点では成立しないというのではなく、複数になることによって、それらはつながり、浸食し、共鳴する、という意味である。 絵肌は軽く、透明。一見マンガ的でもあるが、意味やかたちの形成を突然断ち切る筆のタッチや、やり直しのうす塗りがこの上なく絵画的で、臨場感あふれるものになっている。 このように描けたらいい、と思わせるような絵と制作者の幸福な関係も、さまざまな試行錯誤の果てに成り立ったものである。