平面
カンヴァス、油絵具
1620×1940
光と影、水やコップにうつりこむ世界をみると、どきどきする。
その中に混じってみたいと思ったり、とけこめたと感じたり...。
そういう瞬間を思いだすと、幸せな気持ちになる。
ずっと地面をおっていて、なぜ水たまりにどきどきするのか、少しずつ言葉にできるようになった。
今は、水たまりの深さを描きたいと思っている。
実際は深くはないけれど、すいこまれるように、どこまでも続いていきそうな気がする。
担当教員:小林 孝亘
水溜りの水面に空が映っている。その何気ない小景は、淡い色調で丁寧に描き込まれている。かすかなパースを手がかりに、水溜りのある地面を捉えようとすると、水面に映る空に引き込まれる。水溜りを見ているのか空を見ているのかあいまいになってくる。ふと、絵を見ているということに気付いて「ひとつづき」というタイトルを想う。見えるものも見えないものも、触れられるものも触れられないものも、存在するもののすべては、ひとつづきに繋がっているんだなと思う。彼女がその景色を見たときの実感が、じんわりと伝わってくる。