武蔵野美術大学 造形学部卒業制作 大学院修了制作 優秀作品展

Float

迎 星二 彫刻学科

立体 
アルミニウム 
1200×3800×80

自立したそれは漂うような形を成す。
そして静止した純粋な空間を構築し、その中で静かに佇んでいる。

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担当教員:伊藤 誠
彫刻は見飽きてしまってからその本領を発揮する。作者はアルミニウムを素材として有機的で時に攻撃的な形体を制作してきた。それをかたちにするアイディアとして例えば視覚的なバランスと物理的なバランスのズレがあった。しかしそのようなアイディアは伝わってしまえばその賞味期限は短いだろう。だがアルミニウムという素材はそれほど従順ではなく、溶接して繋ぎ、削り出す制作は見かけの流麗さとは裏腹だ。しかしこの不自由さは、単に形をつくることを突き抜けて素材を生命感のある血の通ったものにするまなざしを獲得したのだろうか。それはこの作品は当初の意図を超え、削りだされたアルミニウムという物質の中の魔力を引き出した。