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古筆の文字には一文字一文字に丁寧に向き合う、書き手の真摯な姿勢が感じられます。そうした姿勢を古筆に学び、現代のデジタル上の組版に生かしたいと考え、藤原行成の書風「行成様」を研究し、文字の繋がりを自由にコントロールできる仮名書体を制作しました。書体「行成」は書き手に選択肢を与えることで一文字一文字への細やかな心配りを要求します。書き手の息づかいをも伝えるような、繊細であたたかな組版の提案です。
担当教員:古堅 真彦
宇野さんは「書を組む」ということをテーマにしている。そして、その「組み」を一般の人でも体験できるように、そのしくみを研究し、そこから「アルゴリズム」を紡ぎだし、パソコンのアプリケーションとして再現した。出来上がったアプリケーションは見た目は単純だが、これはいわゆるワープロではない。書の「非再現性」という特徴と、コンピュータの「再現性」という特徴の間にどのような可能性があるのかを試みた新規分野としての作品である。フォントや文字組みという熟成された分野で新しい試みを行っている彼女の今後にさらに期待したい。