平面
紙
1456×1030
人工的なエネルギーを必要とせず、自然と人間とが協調しな がら生活が営まれる環境を里山と呼びます。人間は里山か ら得られる天然の資源を利用し、里山は人間の手入れによ ってその生物多様性と豊かな風景を維持しています。里山 の合理的な循環構造や動植物相互の持続的関係性、また 、そこで暮らす人々の日常の記録は、これからの時代に必要 な考え方を導いてくれると考えました。3年間のフィールドワー クで見えてきた里山の輪郭やその組成を視覚化し、各専門 分野に蓄積された里山の姿を総合的に編集しました。
担当教員:新島 実
自然の再生力と人の手の入れ方のみで持続可能な生活環境を保っている里山の、再生のメカニズムとそこで日々繰り返される生活をダイアグラム化した作品である。デザイン対象に対する理解度と表現の深化は比例するが、里山での体験をプラスすることによって、村田君はその関係を格段に深化させた。この優れて説得力と表現力を有するダイアグラムデザインからは、一見すると知的な制作プロセスのみを想像するが、与えられた資料の理解という受け身の態度だけでは、ここまでの表現密度を得ることはまず出来ない。日常的な制作プロセスからは生まれ得ない秀作となっている。