武蔵野美術大学 造形学部卒業制作 大学院修了制作 優秀作品展

無意識の意識

下垣内 岳 工芸工業デザイン学科[テキスタイル]

平面
シリアス染料、漂白剤、シルクスクリーン
3350×11000×30

人はなぜ芸術を求めるのだろうか
人はなぜ芸術を語るのだろうか
芸術には歴史があり、その軌跡とともに常に人々の価値観を変えてきた
そしてその価値観がさらに芸術を新たなものへと昇華させてゆく
芸術の特色はその当時の時代背景が色濃く反映されその時代背景は作家から作品へと投影される
それは現代社会においても同じことが言えるのではないだろうか
では利便性が向上し創造する意味が希薄化しているようにも感じる今現在、私はなぜ創造するのだろうか
「無意識の意識」とは創造する意味性を求めたものだ
それは限りなく無意識のうちに創造されたアイデンティティのないものに対し意識的に働きかけることによってその存在意義を確立させるといったものである
染料と漂白剤のドロッピングによって生まれた無意識的な画面に風景写真を刷り込むことによってその存在意義は確立され、無意識は意識的に変化してゆく

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担当教員:田中 秀穂
絵画的な構成要素と緻密な表現が、染織の技法である脱色という効果を得てより重厚な画面となった。
絵画と染織布の融合として魅力のある作品となった。