武蔵野美術大学 造形学部卒業制作 大学院修了制作 優秀作品展

gardenⅡ

根本 佳奈 版画コース

平面
ベランアルシュ紙、雁皮紙、エッチング、アクアチント、雁皮刷り
850×700

物語を感じさせるような、昆虫や植物の世界を描きたかったGardenシリーズ。
飼育していたアロワナを描いたDreamシリーズ。

銅板を丁寧に磨いてグランドをひき、ひたすら描く。
慎重に腐食をした後、しっかりとインクを詰めプレス機に通し、
銅版のイメージを紙に刷り取る。
このような銅版画の工程を一つ一つ大切にして制作しました。

担当教員:池田 良二
酸で腐蝕する銅版画の基本技法、エッチングのみでの表現である。表現に対しての思い上がった自負ではなく、幼い頃の昆虫採集や祖父の飼っていた古代魚の記憶を紡ぎ、それらを克明に刻印し標榜している。自己の微力に自嘲することなく、自らの制作の時間、その集積を精神の支えの根拠とした結果、現代的ではない画面からは逆に新鮮な萌芽が見え、静寂かつ神秘な記憶の万華鏡としての表出となった。