立体
小松石
700×900×250
あの山の、あの滑らかな稜線の中には、きっといくつもの凹や凸がある。
世界を言葉に押し込むように、削ぎ取り、切り取り、名前を付けて、様々なものを理解している(ふりをする)。あなたがわかる(と言う)。
その道のりを転がして会話は続く。
影/架空のアウトライン/地平線の精度
どこでだって“遠く”は始まり、“近く”は終わる。
担当教員:黒川 弘毅
作品には石の中からあらわれる〈かたち〉を愛おしむ感覚が溢れ、作者は身寄りのないかたちに寄り添うことを悦びとしている。〈何々のように見えること〉は、他者の親しみのためではなく、作者にのみ顕れてくるものがいかに孤独であるかを示している。偶然性を必然に変える神秘に洗練はなく、不動のものは手による呼びかけの中で揺らぎながらその都度達成されるのだ。